SDEっぽいことをする日本のM&A業者

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日本のM&A業者はSDEを使っている?

日本のM&A仲介業者の提案書や企業概要書をみていると、元の経営者が引退等の理由で買収後に事業にかかわらない場合、その経営者の報酬をEBITDAにプラスして、修正EBITDAとして記載している例をみることがあります。
 
理由としては、「経営者は引退の意向であり、その役員報酬は今後発生しないため」とか記載されています。

意図としては、EBITDAを大きくみせたい、ということが推測されます。

しかしながら、買収した先では、元の経営者と同じ役目をする人が必要なわけで、相応の報酬は必要になるわけです。元の経営者が引退して、その報酬が不要となっても、同程度の報酬が必要な新たな人を手配する必要があるのが原則的な考え方です。
 

SDE対EBITDA

以下は、SDE、EBITDA、調整後 EBITDA の違いをまとめたグラフです。
調整SDEEBITDA調整後EBITDA
利息(I)含まれる含まれる含まれる
税金(T)含まれる含まれる含まれる
減価償却費(DA)含まれる含まれる含まれる
オーナーの報酬含まれる含まれません含まれません
非経常収益と費用含まれる含まれません含まれる
営業外収益および費用含まれる含まれません含まれる
出所:morganandwestfield.com
この表のとおり、調整後EBITDAとSDEの違いは、オーナー報酬ですので、オーナー報酬*1をEBITDAに足したものを修正EBITDAと称してはいけません。それはSDEです。

*1 : 会社負担社会保険料等も含まれる

修正EBITDAにオーナー報酬(旧経営者報酬)が含まれていたら

苦笑いしましょうww。