SDE倍率とEBITDA倍率の違い
SDE倍率とEBITDA倍率の違い
事業・会社の売り手として「SDEはEBITDAに経営者報酬もプラスするのだから、キャッシュフローが大きくみえていいじゃん!」と考えるのは浅はかです。SDE倍率法が使われる局面は、購入した新オーナーは自らフルタイムで稼働するか、事業構造を変革し、自動運転できるようにする才覚が必要という前提で使われるものです。つまり、買った後も大変なんです。経営者としての大変さと、現場マネージャーとしての大変さがあります。
一方で、EBITDAが使われる局面は、(前オーナーが残るかどうかで場合分けされますが原則として)、半自動運転が可能であり、買った後は経営者として大変であっても、現場のプレイングマネージャーとしての大変さはありません。
上記を考えれば
- SDE倍率 < EBITDA倍率
稼得キャッシュフローが大きくみえても、評価倍率(マルチプル)が小さいので、結論としては、評価は下がる方向にいくことが多いです*1。
ということで事例紹介です。
SDEとEBITDAの倍率
売り手の裁量利益の倍率は通常 2~3倍の範囲ですが、会社の SDE が 100 万ドルに近づくと 4倍にまで上がることがあります。
収益が 100 万ドルから200 万ドルの場合、ビジネスは EBITDA の 3 倍から 6 倍の価格で売却される可能性があります。
会社の EBITDA が 200 万ドルを超える場合、EBITDA の 4 ~ 7 倍で売却される可能性が高くなりますが、会社の規模や業種によっては 7 倍を超えることもあります。
2020年第3四半期に売却されたこの規模の非公開企業の平均倍率はEBITDAの4.4倍でした。
midstreet.com
会計事務所のSDE倍数
平均SDE倍率範囲:1.81倍~3.25倍
平均EBITDA倍率範囲:2.99倍~4.45倍
https://www.phoenixstrategy.group/
エンジニアリング会社が売り手の裁量利益 (SDE) に対してかける典型的な乗数は 3 倍から 5 倍です。
EBITDA:エンジニアリング事業の典型的な EBITDA 倍率は、企業の EBITDA の範囲に応じて 4.1 倍から 9.1 倍です。
exitwise.com