DIP型とは-経営者が残ること

企業再生の型

企業再生において、従来の経営者が残って事業運営することを、DIP型と言われることが多いです。

DIP = Debtor In Possession のことであり、直訳では、「占有する債務者」という意味ですが、従来より事業資産や経営の立場を占有する債務者(=再生会社)の取締役らが、引き続き事業再生を主導的に実行していくことを意味するものとして、「DIP型」と呼ばれています。

「従来の経営者がそのまま残る形」と思って頂いて差し支えありませんが、実務では用語の混乱もみられるところです。

私的整理、民事再生は、原則としてDIP型です。
会社更生は原則として、非DIPですが、DIP型の運用もなされています。

事業再生の完了の形とは別の意味

この「型」については、あくまでも、事業再生スキームの主導は誰か、という点であり、事業再生の出口で、経営者が変わるかどうかは、別問題です。

私的整理や民事再生手続でも、スポンサー型であれば、再生手続の完了後は旧経営陣が退陣するのが通例ですが、事業再生手続そのものは、従来の経営者が実行することがほとんどです。出口はともかく、事業再生手続を実行するのが従来の経営者であれば、DIP型再生手続、ということとなります。

もちろん、再生手続自体を従来経営者が実行し、再生手続完了後も従来経営者が経営を継続する自主再建型もあります。

①再生前 → ②再生手続 → ③再生手続完了後

この②が、従来の経営者なのか(DIP型)、新しい経営者なのか(非DIP型)によって型が分かれるのであり、③はDIP型かどうかの議論の対象ではないことに注意しましょう。

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